CD、レーベル:Ftarri、CD番号:ftarri-970、2021年10月発売。
中村としまると秋山徹次は共に1990年代から本格的に活動を始め、今では毎年のように世界各地で公演をおこない数多くのリリースを誇る、日本を代表する即興演奏家である。中村としまるは、アナログ・オーディオ・ミキサーへの変則的な結線によりフィードバックを作り出す「ノーインプット・ミキシング・ボード」を楽器として使い、サウンドを構成する。ギタリストの秋山徹次はアコースティック・ギターとエレクトリック・ギターを使い分け、叙情的なものからノイジーなものまで個性豊かに演奏をおこなう。
中村と秋山の音楽上の付き合いは古く、2000年代初頭には、今は無きギャラリー「オフサイト」で、月例即興演奏シリーズ「Meeting at Off Site」を数年にわたり共同主宰している。その当時から、ふたりはほかの演奏家を交えて幾度も共演してきたが、ふたりだけでの演奏となるとそれほど多くはない。リリースでは、2009年CD『Semi-Impressionism』(Sepkk) がデュオ・デビュー作で、『Idiomatic Expressionism』はそれ以来、なんと12年ぶりのセカンド・アルバムである。前作は海外でのライヴ演奏を編集し収録していたが、本作はスタジオ録音。2020年から2021年にかけて、じっくりと時間をかけて制作した意欲作。中村のノーインプット・ミキシング・ボードと秋山のアコースティック・ギターが味わい深く絶妙に音を作り重ねていく、即興演奏5曲を収録。
価格:1500 円