CD、レーベル：Hitorri、CD番号：hitorri-979、2020年5月発売。

広瀬淳二は、日本の即興音楽界を代表するサックス奏者であり、アナログな自作ノイズ楽器の演奏者でもある。広瀬は、日用品を組み合わせた自作楽器 SSI (self-made sound instrument) でのノイズ演奏を1980年代からスタートさせ、年月を経るごとに楽器を改造し、その度に楽器名の SSI に別の番号を付けていった。Hitorri レーベルからはこれまで、『SSI-4』(hitorri-997 / 2013年)、『SSI-5』(hitorri-993 / 2015年)、『SSI-6』(hitorri-990 / 2016年) をリリース。そして今回、SSI-7 を使い2018年12月に録音したアルバムの発売となった。

大判の浅底丸型金属板にボールやその他小物を置き、その上に同質同サイズの金属板を若干浮くようにかぶせて固定。そこにエアー・コンプレッサーを使って圧縮空気を色々な角度からぶち当てる。すると、ふたつの金属板の間から流れ込んだ圧縮空気により、中の小物は勢いよく動き回る。エアー・コンプレッサーが出す音、金属板に圧縮空気が当たる音、小物が動き回り金属板に当たって出す音。これらが組み合わさり、複雑できらびやかな音の複合体を生み出している。本作には全4曲を収録しているが、曲により小物の種類を変えることで音の表情を変化させている。なお最後の曲は、金属板の中に何も入れずに圧縮空気を当てた演奏。広瀬の旺盛な創作意欲と豊かな創造性が満ち溢れた作品。

価格：1500 円