CD、レーベル:Improvised Music from Japan、CD番号:IMJ-523、2004年10月発売。
80年代のアフター・ディナー (After Dinner) から、女性トリオのホアヒオ (Hoahio) やテーリ・テムリッツとのイエスタディズ・ヒーローズ (Yesterday's Heroes)、そしてソロによる現在の活動に至るまで、Haco はアヴァンギャルド・ミュージック界の歌姫として君臨してきた。ヴォーカリストとして、そして作詞・作曲家として高く評価されてきた彼女だが、それにとどまることなく、Haco は別の領域へも足を踏み入れてきた。それはヴォーカルやポップなメロディとはまったく無縁な、日常を取り巻く環境音そのものに焦点を当てた作業である。そのひとつが、しばらく毎年のようにイヴェントを開催していたヴューマスターズ (現音採集観察学会) であり、そしてもうひとつが本アルバムにまとめられたステレオ・バグスコープである。ステレオ・バグスコープとは、パソコン、携帯電話、MDプレーヤー、無線ルータなどの電子機器内部における回路上の動作発振音を検出するシステムのこと。ふたつの誘導性マイクロフォン (ピックアップ) を手に持って動かしたり、これら機器の表面に当てたり浮かしたりすることによって、電気的に増幅された発振音を観察できる。通常は不可聴な微弱信号をあらわにすることで様々なイメージをリスナーにもたらすと共に、サウンドそのものがミニマル電子音響の音楽のようだ。
mp3 excerpt: track 1特価:1500円 (通常価格2000円のところ)