Ftarri / Ftarri Classical

木下正道

Study in Fifths I

CD
ftarricl-664
限定200部
2021年10月31日発売
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  1. 五度音程のための習作 I (二本のフルートとキーボード、電子音のための) (59:44)

    mp3 excerpt: track 1

作曲:木下正道 (2021年)

木下正道:ハーモニウム、エレクトロニクス

La Soeur
笠原愛里:フルート
村上聖:フルート


 まず背景の電子音ですが、すべてを素数、また円周率で決定しています。全体の演奏時間は3559秒です。ピッチはA=442としてそれぞれ上下に五度音程を取って行き、それを近似値の素数に置き換えたものを基本形とします。  次に円周率を2桁ごとに切って、それを11で割った余りに置き換えた数列を使い、基本形をどう動かすか (ピッチの変化、持続時間、休止時間) を決めます。フルートとキーボードは、簡潔な音形 (音程は上記の五度音程に準拠します) が書かれた47マスを、渦を巻くように読みながらそれぞれ独立して演奏します。楽譜は4枚あり、1-2-3-4-3-2-1の順番で演奏します。渦の巻き方を前半と後半で変えます。(木下正道)


木下正道は1969年、福井県大野市生まれ、東京在住の現代音楽作曲家。作曲以外にも、電気機器による即興演奏や、コンサート企画もこなす。木下は東京、水道橋の Ftarri に継続的に出演している。彼が Ftarri に置いてあるハーモニウムを使ったコンサート・シリーズ「Ftarri のハルモニウム」の第一回をおこなったのが、2020年2月。それ以来、数ヶ月に一度の割合でこのシリーズは続いていて、2021年7月3日に第5回が開かれた。いつも木下が自らの作曲作品を用意し、彼はハーモニウムの演奏も担当、ほかにゲスト演奏家を数人呼んで演奏を繰り広げる。

第5回のゲストは La Soeur という名の、笠原愛里 (かさはらあいり) と村上聖 (むらかみせいら) のフルート・デュオ。笠原と村上は年齢が1歳違いで、共に東北出身 (笠原が宮城県、村上が秋田県)、そしてふたりとも山形大学地域教育文化学部音楽芸術コースを卒業した間柄。それぞれ演奏やレコーディングをおこなったり、フルート講師として活動しながら、La Soeur のデュオ・プロジェクトを続けている。

第5回のコンサートでは木下の3作品を演奏したが、本CDには、最後に演奏された最長の「五度音程のための習作 I」(二本のフルートとキーボード、電子音のための) [59分44秒] を収録。木下が演奏するハーモニウムとエレクトロニクスの妖しく柔らかなサウンドが空間に広がり、そこに La Soeur のフルートがふっと入ってきて、そしてぐるぐる回るように音を鳴り響かせる。幽玄にしてミステリアスな1時間の大作。


Last updated: October 24, 2021

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