(a) 恩田晃 -- Two Women (10:30) (Disc 6, Track 1)
(b) 恩田晃 -- Take Me to the Water (8:54) (Disc 6, Track 2)
(c) 恩田晃 -- The Last Day of Summer (2:20) (Disc 6, Track 3)
作曲：恩田晃
恩田晃 (カセット・レコーダー、エフェクター)
録音：2001年 ハノーヴァーおよびニューヨーク
Thanks to Kenta Nagai (track 2)
いつ頃からカセット・レコーダーを使い始めたのだろうか? 6〜7年前だと思う。それ以来、普段の生活のなかで、旅をしながら、気にいった音を耳にすると録音ボタンをプチッと押し、記憶の磁気をテープに刻みつけている。音の日記といったところだろうか。何故そんなことをしているのか? 憑かれているだけかもしれない。おそらく。たぶん。世のなかには理由（わけ）の解らないことがたくさんある。それがひとつ増えたからといって、どうということもない。
時折、録音済みのテープと安物のDJ用エフェクターだけを使って演奏してみる。記憶の断片、失われた過去をこねくりまわして巨大な蟻塚をつくりあげるようなものだ。無邪気なたわむれ。あまりにもパーソナルであることによって、あらゆる意味から解き放たれる瞬間を求めている。その瞬間にしか存在しない何か。音楽が聴こえてくるまで。それがなんであろうと構いわしない。いつも、よろこびに満ちた音楽をつくりたいと願っている。
恩田晃
2001年8月5日 リオ・デ・ジャネイロにて