CD
meenna-873
限定200部
2020年9月6日発売
価格 1,500 円 + 税
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中村華子:笙
清田裕美子:楽琵琶
山田岳:ギター
木下正道:作曲、ハーモニウム
曲解説 (文:木下正道)
1. 47/19=2・9/19 (19:37)
7x7=49のマスを用意し、そのうちふたつをつぶして47マスにする。あらかじめ作っておいた1から19までの数を含むランダムな数列でマスを埋める。19種類の音の断片を用意しそれぞれ当てはめる。こうしてできた楽譜を、最初は普通に、次からは渦を巻くように見ながら演奏する。 渦の巻き方は各奏者違うように設定する。
2. 11数えろ!! (8:27)
各自11を数えながら、次第に音が増えていくように音を置いていく。
3. 17の旋律、13の持続音、1つの沈黙 (22:10)
もともとの、かなり長い旋律を作り、それを入れ子になるような17の旋律に分解し、かつギターと楽琵琶の特性に合うように手を入れる。 笙とハルモニウムには、ある五度がずっと続くような和音のつながりを13個用意する。それを約22分の演奏時間の上に再配分する。
Ftarri になぜハーモニウム (リード・オルガン) があるのか。話は2019年11月に東京で開催された Ftarri Festival に遡る。同フェスティヴァル最終日に、クラウス・ラング (ハーモニウム)、ジョニー・チャン (ヴァイオリン)、サミュエル・ダンスコム (バス・クラリネット)、小川道子 (クラリネット) のカルテットの出演が決定。急遽、メンバーの小川道子がクラウス・ラングのために中古のハーモニウムを購入。小川はベルリンで暮らしているため、Ftarri でハーモニウムを預かり、コンサートでも使用させてもらうことになった。
Ftarri によく出演している作曲家の木下正道がハーモニウムを使ったコンサートに興味を持ち、「Ftarri のハルモニウム」と題したコンサート・シリーズを企画し、2020年2月にその第一回を開催。そして翌月の3月14日に、木下を含む4人の出演で第二回のコンサートをおこない、そこで演奏された木下正道作曲の作品3曲をアルバムに収録し、リリースすることとなった。木下正道は1969年福井県出身の作曲家。毎年、室内楽曲を中心に多くの曲を作るばかりでなく、演奏会の企画やジャンク・エレクトロニクスを用いた即興演奏も活発におこない、精力的な活動はつとに知られる。
「Ftarri のハルモニウム」第二回コンサートに、木下は雅楽や現代音楽の分野で活躍する気鋭の演奏家3人、中村華子 (笙)、清田裕美子 (楽琵琶)、山田岳 (ギター) を招き、木下はハーモニウムを演奏。本CDには、4人全員が演奏に参加した木下作曲の「47/19=2・9/19」、「11数えろ!!」、「17の旋律、13の持続音、1つの沈黙」を収録。和楽器と洋楽器それぞれの持続音を出す楽器と弦楽器を組み合わせ、ハーモニウムや他の演奏家の楽器の性質を考慮した曲構造といい、演奏の妙といい、聴きどころ満載。